ここでは個人的に面白いと感じたネット小説などの紹介をしています。
烈火の将剣闘譚シリーズ |
作者 『ザ・シガー』氏。
内容 『シグナム』 『漢女』 『バトル』 『浪漫バイク』
掲載場所 『魔法少女リリカルなのはエロ小説☆スレの保管庫』
あらすじ
・次元世界の中心、ミッドチルダ。様々な人々が垣根を超えて共に手を取り合い共存している様は実に華やか。
されどその向こう側にある暗き闇に一歩でも足を踏み入れれば――潜んでいるのは人外魔境の悪鬼羅刹。
後へ振り向けば、美麗なる『髪』を求め歩く殺人鬼。
右へ振り向けば、ハイウェイに巣食う『超音速』の怪物。
左へ振り向けば、暗殺を生業とする『普通』の殺し屋。
だが案ずるなかれ、前を見ろ。そこに悠然と佇むは炎よりも尚熱き烈火の将、劔冑の騎士シグナムが御座候う。
夜天に仕えしベルカの猛将が怪物者共と織りなすその豪華絢爛たる征伐をしかと刮目せよ。
感想
リリカルなのはにおける『格好良い担当』といえば、個人的には無論シグナムであると言わざるを得ない。
Asでの活躍はもちろん、stsでも彼女の勇姿は遺憾なく表現されていて実に良かった。
しかしネットでは『ニート』だの『自宅警備員』だのとネタにされることもしばしばある彼女。
まあ駄目っ子なシグナムというのはやり過ぎない限りで大好きではあるのだけれど、やはりシグナムは戦いで魅せる女性であって欲しいと思うのだ。
そこでおすすめなのがこのSS、『烈火の将剣闘譚』である。とにかくここに出てくるシグナムはただひたすらに格好良い。
圧倒的な文章力で綴られる息も吐かせぬ戦闘シーンは読んでいて圧倒されてしまう。セリフ回しも秀逸でまさにSS職人芸の一品である。
特に2話がやばい。走輪の剣と銘打たれたこの話は、とあるハイウェイに存在するゴーストライダーをシグナムが成敗するシナリオなのだが――。
なんとその戦闘方式がシグナムもバイクに乗って鋼鉄の騎馬戦を繰り広げるというものだ。バイクで戦闘というシチュエーション好きには実にたまらない展開だろう。しかも登場するバイクが浪漫大満載。下記がそのスペックである。
・近接破壊用の超硬質金属製のバンパークロウを含む全長、420センチ。
・対魔力・対弾・対刃仕様の多重積層装甲に覆われた車重、2500キログラム。
・排気量8900ccのエンジンが生み出す最高時速は700キロメートル超過、さらには追加ブースターに点火した場合に叩き出す速度は時速1700キロメートルにまで迫る。
・空気抵抗軽減と防御用に展開するために配備された魔法障壁展開装置。
・前面の敵を掃滅する大口径ガトリングガン二門。
・後部に増設された武装パックには地対空ミサイル。
・燃料と弾薬を常に最高の状態に保つ空間転移装置。
・その他、索敵と戦闘と殲滅に必要な装備、etc……。
もうバイクじゃねぇよ(大感激)。時速700kmって、ブーストしたら時速1700kmって。
仮にである。シグナムがこれに乗って東京の千代田区でピザ配達のアルバイトを始めたとしよう。
ピザの配達時間はだいたい10分以内が理想的といわれている為か、遠い場所には届けてくれない。
槍は田舎在住の為に詳しくはしらないが、東京都でも一区違えば届けてはくれないのではないのだろうか。
だがこのバイクに乗ったシグナムなら安心だ。
なぜならシグナムの10分間における活動範囲は最高速をキープして移動出来ると過程した場合だいたい200キロ圏内の配達が可能なのだから。
彼女ならば例え千葉県や埼玉県からの依頼ですら10分以内にデリバリー可能! 道中コーヒーを飲む余裕すらある。すげぇぜシグナム! ピザ屋の伝説になるであろう偉業だ。
話がそれた。とにかく格好良いシグナムさんが読みたい人がいたらこれを読めと自信を持って言えます。
その勇姿に是非悶えろ! 是非燃えろ!
ただしこのSSが乗ってるのは18禁サイトなので、18歳以下は読めません。誕生日をどうか待ちましょう。
ルールを破る人にはシグナムがピザを届けてくれないぞ。
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転生者はトラブルと出会ったようです |
作者『さざみー』様。
内容 『オリジナルキャラクター』 『転生』 『熱血』 『努力』 『友情』 『勝利』 『ルーチェ隊長』
掲載場所 『Arcadia とらハ板投稿掲示板』
あらすじ
・時空管理局ミッドチルダ首都航空3097隊の隊員ヴァン・ツチダはある日、とある下着泥棒を同僚のティーダ・ランスターと共に追っていた。
どうにか逮捕寸前までこぎつけるのだが、転送魔法を使ってでも下着泥棒は逃走を諦めない。逃がすまいと思った矢先、突如その場所に禁術とされる魔法が打ち込まれてしまう。
転生魔法に反応した禁呪による次元震の発生。次元震が完全に解き放たれてしまえば都市一体が崩壊しかねない。
ヴァンは慣れない封印魔法を駆使し、どうにか崩壊を防ぐのだが――目を覚ました場所は、なんと『原作』の舞台となる海鳴市で……。
敵対する相手は全員が化物クラスの才能を持つ魔導師たち。だがヴァン・ツチダは魔導師ランクC程度の凡人。
何度も倒された。何度も負けた。されどヴァン・ツチダは立ち上がる。
『転生者』と呼ばれる存在が好き放題に跋扈するこの世界。
自身もまた転生者という事情を胸に秘め、ヴァン・ツチダは挑み続ける。全ては――次元世界を守る1人のお巡りさんとして。
感想
『転生系』と呼ばれるジャンルがSS界隈で一世を風味するのに担ったであろうSSは数多く存在すると思う。
このSS、転生者はトラブルと出会ったようですもまたその1つなのだが……やばい、このSSはやばい。面白すぎる。
まず主人公であるヴァン・ツチダ。この人は――弱いのある。実に弱い。
“主人公が弱い”というのは商業誌などでは別段珍しいことでもない。SS界隈にだってそれなりにあるだろう。
だけどそんな主人公は後半で覚醒してとんでもなく強くなったり、一撃必殺のジョーカーを持っていたりするのだがヴァン・ツチダは最後まで弱かった。
弱かったといっても、作中の他の登場人物たちが強すぎるのであって、普通に見れば中堅に位置するくらいの実力はあるのだが。
それでも必死に他の主役たちに付いて行こうと頑張る様はまさに『漢』。
基本的にこのSSはヴァン一人称で語られるのだが、その心情はとても熱く、どこか笑えて、泣けてくる。
自分が読んできた多くの物語の主人公の中でも、商業誌、SS全て引っ括めて大好きな主人公の1人である。これほど引きこまれたキャラクターはそういないんじゃないかと思えるくらいだ。
しかし引きこまれたキャラクターはヴァンだけではない。この作中に出てくる登場人物全てが引き込まれる個性を持っている。
なのはやフェイト、ユーノやクロノ。こういった転生系やオリ主系と呼ばれるSSでは彼らは蔑ろにされることが多々あるのだが、このSSではそんなことがなくみんな大活躍。それぞれのキャラクター性を損なうことなく崩すことなく動きまわる姿はまさに正統派『二次創作』。
対して、ヴァン達オリジナルキャラクター勢もまた凄い個性的なのだ。
綿密な設定をこれでもかと内包させた彼らの生き様はオリジナルキャストであるなのは達にも匹敵するだろう。
とくにルーチェ隊長である。正式名称ルーチェ・パインダ。彼女はヴァンが所属する部隊の隊長だ。
もちろん、彼女も転生者なのだが、なんと前世は男。つまりはTS転生者なのである。
そんな彼女を一言で形容するなら――可愛いのである。死にたくなるくらい可愛い。
なんというかもうルーチェ隊長が可愛い過ぎて生きてるのが辛い。
不思議である。こんな感情は生まれて始めての経験だ。なのはやフェイト、他の作品の萌えキャラに対してもこれほど可愛いと思ったことはない。
多分作中でルーチェ隊長が誰かと結婚とか付き合ったりし始めたら自分発狂すると思う。
可愛い……もうそれ以上の言葉が思いつかないくらい可愛い。ルーチェ隊長が可愛すぎて三次創作を書き始めたくらい可愛い。
作中で彼女はエッチィシーンを目撃し、鼻血を出して搬送されてしまう場面があるのだが……。
いくらなんでも純粋無垢すぎて可愛いすぎんだろぉ……。
普段はげーはっはっはと萌える笑い声を上げながらどうやってラブコメを粉砕してやろうかと考える彼女が、エッチィシーンを見て鼻血を出す。
なんだこのギャップ萌えは。悶えすぎて引きつり起こしたぞリアルに。ほんとに前世は男だったのかと問い詰めたいくらいである。
とまあ、いろいろ語ったけれど、自分にとって転生者はトラブルと出会ったようですは敬愛する上遠野浩平先生のブギーポップは笑わないに匹敵するくらいに大好きなSSだ。
もしも興味が湧いた方は、ぜひ一読をおすすめします。
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